1466899876671.jpg

養殖ホヤの一大産地の宮城県で、県漁協が国内出荷分を除く養殖ホヤ約1万4000トンを処分する方針を固めたことが23日、分かった。東京電力福島第1原発事故の影響で大消費地の韓国が輸入を禁じ、販売先の確保が難しいことなどが理由。県漁協は東電に損害賠償を求める見込み。
関係者によると、ホヤの養殖が盛んな石巻、気仙沼、女川、南三陸の4市町などと調整し、関連施設で処分する見通し。一部は処分までの間、水産加工会社での冷凍保存などを検討する。
一方、今年販売予定のホヤは4000〜5000トンとみられる。
市場に出回るホヤの大半は養殖で、3〜4年かけて育てる。県産ホヤは東日本大震災前、約8000トンが水揚げされ、うち7〜8割が韓国で消費されていた。韓国では「3年物」の需要があり、ほぼ1年を通して出荷できた。日本ではより成熟した「4年物」が主に取引される。
震災の津波で県内ではホヤの養殖いかだや種苗などが流されたが、ほぼ震災前の生産水準まで回復した。
ただ、韓国が2013年9月、宮城、岩手、福島など8県の水産物の輸入を禁止。国内では供給過剰となり、単価が下落。「4年物」のホヤが大量に海中に残っており、水揚げしないと成長して養殖用のロープから落下する恐れがある。環境への影響が懸念され、新たな種付け場所の確保も難しいという。
県漁協関係者は「本来はより多くの消費者にホヤを味わってほしいが、無料で提供すれば販売価格に影響する。処分は断腸の思いだ」と話す。

河北新報-2016年06月24日金曜日